株式会社の設立
電子化の進展
会社の定款は通常紙に印刷したものですが、これを電子化することで大幅な設立費用削減ができます。それは電子化された定款は公証役場での認証で印紙代が4万円が不要になるからです。電子化といってもワープロで作成した定款をPDFというファイル形式に変換し、そこに行政書士が電子化された職務印を押印するだけです。顧客には従来通り紙で製本された定款が渡されますが、同時に電子化された定款もフロッピーやCDで渡されます。顧客はこれを大切に保管します。心配ならコピーして携帯電話ややUSBメモリーなど複数の場所に保管できます。もし家や会社が災害にあっても、定款は守られます.
銀行の払込保管証明書の廃止
従来ですと資本金を確かに払い込んだことを証明するために銀行に高い手数料を払い、払込金保管証明書を発行してもらっていました。ところが今後は銀行通帳のコピーで良いということになりました。しかし、簡単になったといって自分の貯金通帳のコピーをただ法務局に持って行っても却下されてしまいます。それは払込の方法や通帳への印字の仕方、コピーしなければならない部分に厳しい条件があり、しかも通帳のコピーに保管証明書という表紙を付けてホチキスで留め、割り印を押す必要もあるなどややこしいところが多々あります。
不必要な取締役会と監査役
株式会社で今まで必要だったのが3人以上の取締役と1人以上の監査役です。新会社法ではこれが廃止され、取締役会の無い、1人取締役(社長兼任)の株式会社を設立できます。普通小規模会社は社長が株主を兼ねている場合がほとんどなので意味のない監査役(通常奥さんが多い)を置くことは実態にそぐわないということで廃止されました。勿論、役員や監査役をたくさん置くことも可能です。これにより会社の将来性などを考慮して会社組織を決めることが出来、組織の幅が広がったことは確かです。
役員の任期が10年でも可
株式会社の役員と言いますと任期は通常2年ですが、会社法ではこれが10年でも可能になりました。これにより重任登記の手間が減りました。ところが新規設立の会社なら定款を作製する時に最初から役員任期10年に出来るのですが、今までの株式会社は2年のままです。そのため従来の会社は定款変更をしないといけないことになります。どうせかえるのであれば役員の数や監査役の必要性もこの際考慮し、大幅な組織改変を行うのも良い機会かもしれません。
会社組織制度のいろいろ
最初に会社組織にたくさんの選択肢があると書きましたが以下にその種類の一部を抜粋して書きます。但し中小企業(株式非公開、委員会非設置)の場合を想定してあります。
@取締役一人(社長兼任) いわゆる従来の有限会社型の一人会社です。
A取締役が数人と代表取締役を置き、取締役会は無い。数人で経営する小規模会社です。
B取締役数人と代表取締役、監査役が居て取締役会がある。この場合は取締役3人以上が必要です。
C取締役数人と代表取締役、監査役数人が居て取締役会と監査役会がある。監査役を2人以上置く中規模会社です。
D取締役数人と代表取締役、監査役数人と会計監査人が居て取締役会と監査役会がある。中規模会社で使われます。
ここに無い組み合わせである例えば取締役会が無いのに監査役を置くといった組み合わせはできません。ほとんどの会社は@〜Cに入ると思います。
設立の流れ
さて、いよいよ新規設立の流れを見て見ましょう。最初に会社の基本的事項を決定します。基本事項は以下の通りです。
@会社名A事業内容B本店所在地C資本金額D発起人(出資者)E役員F事業年度
用意するものもあります。@会社の代表印(ハンコ屋)A発起人と役員全員の印鑑証明書(発起人が法人なら法人の謄本と印鑑証明書です。役員は個人のみがなれます)
これだけそろえばあとは定款を作製し、公証役場で認証してもらいます。認証後に発起人は資本金を代表発起人の口座へ振り込みます。このタイミングが大切です。
資本金を振り込みましたらその証明書を作成し、登記書類も作成して登記します。
1週間程度で完成です。
設立登記で変わった点
従来登記内容はOCRで行われていましたがこれがフロッピーやCDで出来るようになりました。ところがワードや一太郎は使用できません。テキストエデタを使用して拡張子.txtでファイルを作成します。また、取締役会が無い中小企業の場合は取締役互選書やその他の書類が必要になります。また従来と大きく異なる点は資本金が通帳のコピーで良くなった変わりに通帳の記帳された金額のどの額が資本金に充当するのか計算式を添付した「資本金の額の計上に関する設立時代表取締役の証明書」を添付する必要があります。この計算式は調査書にも記載しておきます。
その他書類がA4で作成するようになった点なども特徴としてあげられます。
株式会社の変更
通常の資本金1000万円以上の株式会社は役員の任期が2年になっていますが、これを最大10年まで延長できます。また、役員も従来は取締役3人以上、監査役1人以上が必要でしたがこの規定も撤廃されましたので取締役1人にすることも可能です。数字的な面はこの程度で、役員の変更や社名変更、事業内容の変更、本店の移転等の手続きは従来通りです。変わったのが増資で、銀行の貯金通帳のコピーで増資出来ますが、書類はやや複雑化しました。株式会社の変更につきましては御相談下さい。