金融商品取引業とは
集団投資スキーム(ファンド)とは
集団投資スキームという言葉が金融商品取引法(以下金商法)に出てきます。いまはやりの訳のわからない英語ですが要は以下の3つの条件を満たせば集団投資スキームとしての要件を満たしてしまうため、金融庁に何らかの登録又は届出が必要になるということです。
1. 他者からお金を集め ・・・他者なので自分が(会社が)お金を出すのは関係ありません。お金を2人以上から集める場合のみです。
2. 何らかの事業・投資を行い ・・・この世にあるありとあらゆる事業が含まれます。投資は株式だけでなくタレントや骨董美術品、無体財産等全て含みます。
3. その収益を出資者に分配する仕組み ・・・儲かったお金を投資したみんなで山分けしようということです。
を運営している者となります。但し、出資者が出資したお金の運用に関する意志決定が全ての出資者の同意を必要とし、全ての出資者が事業に参加している場合は、共同事業と言うことになり、たとえ組合契約であっても集団投資スキームに該当しませんので登録も届出も必要ない事になります。それ以外の組合は全て登録又は届出が必要となります。
金融商品取引業の種類
第1種金融商品取引業の登録
この登録はほとんどの方々には関係ありません。なぜなら有価証券の売買や私設取引所を運営する場合に必要な免許だからです。よって証券会社等の大会社がこの免許を取得する業種となります。
第2種金融商品取引業の登録
ほとんどのファンド運営者はこの免許が必要です。(金商法28条第2項 第二種金融商品取引業とは)集団投資スキームを運営して出資者を募集する業務には必要不可欠な免許です。例えば民法や匿名組合を使って何かの出資の募集を行う場合など、とにかく他人からお金を集める行為はほとんどがこの業務とみなされます。従来からある株式発行による資金集めは該当しません。まずこれを取得しなければファンドの世界の土俵に上がることすら出来ないと言えます。この登録から逃れるのは参加者全員で運営している投資クラブだけです。但しこの免許は資金を募集する仕事に関するのみの免許です。集めたお金を運用するにはさらに投資運用業も必要となります。(下記参照)登録を受ければ何本でもファンドを運営できます。また、ファンドの種類は登記を必要とする投資事業有限責任組合等は必要なく、契約書のみで設立できる匿名組合は民法組合でも組成可能で、人数や額に関係なく自由にに一般投資家から出資金を集めることができます。
投資助言・代理業
今まで投資顧問業といわれていた業務で、投資顧問契約を顧客と結び、投資に関する助言や相談を受けて顧問料を頂く仕事です。
投資運用業
集団投資スキームを運営していて、集めた資金を運用会社に委託している場合は良いのですが、投資一任契約を結んだり、運営者が独自の判断で証券会社に特定の銘柄を指定して売買指令を出すなのどの資金を運用する業務をしている場合はこの免許が必要です。よって第2種金融商品取引業とセットで取得する必要がある免許と言えます。資本金が5000万円以上、純財産額5000万円以上の取締役3人以上、監査役1人以上の株式会社でのみ取得できます。
もっとも投資運用業が必要なのは投資一任契約を締結して集めたお金を有価証券、デリバティブに運用する場合のみで、海老の養殖や骨董品、絵画やアニメ、特定の会社の事業など有価証券以外に投資する場合は金商法の投資運用業には該当しません。(金商法28条第4項 投資運用業とは)
届出で済むもの(適格機関投資家等特例業務)
どうせファンドを運営するなら登録よりも届出で済む方が楽ですね。金融商品取引法には届出でも良いというファンドもあります。(金商法第63条)以下のものです。
1・適格機関投資家を一人含み、それ以外の一般投資家が49人以下の有価証券・デリバティブへの投資ファンドは募集も運営も届出で良い。金商法第63条第2項の届出。
2・以前は一般的投資家から出資者を募集していたが今は運用だけしている有価証券・デリバティブへの投資ファンド。運用は届出で良い。
3.適格機関投資家を一人含み、それ以外の一般投資家が49人以下の有価証券やデリバティブ以外に投資する投資ファンドは募集も運営も届出で良い。金商法第63条第2項の届出。
金商法63条の条文は詳しく分析しますと「適格機関投資家等(但しこれ以外の人たちは49人以下ですよ)を相手方として、つまり投資家として迎えて組成される民法組合、匿名組合などの集めたお金を何らかの事業に投資して儲けたお金をみんなで山分けする権利を売りに出す行為でも登録は不要です」と書いてあります。
適格機関投資家とは?(金融商品取引法第二条に規定する定義に関する内閣府令「平成5年3月3日号外大蔵省令第14号」)
@投資事業有限責任組合
A投資している有価証券の時価が10億円以上の法人
B匿名組合又は有限責任事業組合の業務執行組合員である法人で、当該組合等の有価証券残高が10億円以上(届出直近)であり、かつ届出について他の組合員の同意を得ているものとして、金融庁に届出を行ったもの
C投資法人
D第一種金融商品取引業者又は投資運用業者
E証券会社、銀行、保険会社
詳しくは投資組合とは?のページをご覧ください。
ということで普通の会社が適格機関投資家になる一番簡単な方法は投資事業有限責任組合を設立することでしょう。また、第一種をもった証券会社に一口出資してもらう方法もあります。
ファンドの登録又は届出の可否の事例
1・組合等(匿名組合、任意組合、LLP)を利用してファンドを運営し、出資者の募集を行い、なおかつ集めた資金を運営者が独自の判断で有価証券やデリバティブで運用している場合。第2種金融商品取引業と投資運用業が必要。
2・組合等(匿名組合、任意組合、LLP)を利用してファンドを運営し、出資者の募集を行い、集めた資金を運用会社へ委託している場合。第2種金融商品取引業が必要。
3・LPS(投資事業有限責任組合)を出資者として含む全体で49人以下のファンドを運営し、集めた資金を運用会社へ委託している場合。届出でOK。50人以上なら第2種金融商品取引業が必要。63条第1項1号の適用届出
4・匿名組合又は民法組合を利用して有価証券やデリバティブに投資している組合で、組合員数が49人以下でかつ、出資者の中に適格機関投資家を含むもの。届出で63条第1項1号2号の適用届出。
金融商品取引業の登録の要件
@共通事項
以下の場合は全業種で登録は不可能となります。
a.成年被後見人。被保佐人・・・痴呆者などはダメです。
b.破産者
c.暴力団員または過去に団員だった者又はそれらの団体に関係があった者
A第2種金融商品取引業の登録要件
a.金銭の預託を受ける(特定有価証券管理行為)場合。資本金5000万円以上
b.預託を受けない場合。資本金1000万円以上。
c.業務に関する十分な知識や経験を有する職員がいない場合は登録不可。ほとんどの会社は通常証券会社を退職された方々を雇用して対処しています。
B投資助言・代理業
@の共通事項をクリアすればOK。
C投資運用業
a.資本金5000万円以上の株式会社であること。
b.取締役会(取締役3人以上)が設置されかつ監査役1人以上がいること。
c.純財産額が5000万円以上あること。
d.投資運用に関する知識と経験を有する人材を確保していること。通常、証券会社や旧投資顧問業の会社経験者を雇用しています。
e.他の兼業事業で損失を被る可能性がある場合は不可。完全専業が望ましい。
f.会社の株主に@に該当する人物がいる場合は不可。
g.会社の株式を20%以上保有する株主が適切ではない外国法人の場合は不可
登録申請に必要な事項の概略
@会社名、資本金額、、本店住所、営業所一覧、役員の名前、使用人名簿
A現在の業務内容と登録業務内容
B加入している金融商品取引業協会の名前と認定投資者保護団体名。ない場合は加入予定の団体
C業務運営に関する基本原則の詳細
D業務執行の方法の詳細規程
E苦情解決のための体制規程
F業務に関する人的体制の構成と業務執行体制の組織関係を示した内容
G業務に関する詳細な内容(D〜Iまでの詳細は金融庁の監督指針をご覧ください。これに合致していないとはねられます。)
H役員及び使用人の履歴書
I定款、登記簿謄本、最終の財務諸表
J他。登録しようとする金融商品取引業によって異なります。
書類はかなりの量になります。また申請してから財務局にて会社代表者、役員と財務局職員との面接によるヒアリングもあり、それらをクリアしないと登録になりません。